広告代理店からAIベンチャーに転職します。

本日、2022年12月31日をもって、新卒から8年9か月勤めた広告代理店を退職する。 自分にたくさんの負荷をかけ、自分探しに明け暮れたファーストキャリアだった。 学生時代に「自分はやりたいことが無い」と結論付けて、飛び込んだ広告業界。初っ端から、テレ…

【求人】メディアエージェンシーでのキャリアの紹介、あるいは僕がなぜ今もこの会社で働き続けているのかについて。

読者の皆様、お久しぶりです。ブログの書き方を忘れてしまったような気がする今日この頃です。 コロナ禍において多くの企業が直面しているように、僕の勤務先もまた、ここ数年人材の出入りが激化しております。企業としては成長曲線を描いているがゆえに、働…

広告代理店のメディア部門でこれから起こりそうなこと

今日はこれまでの筆者の七年弱の広告業界での経験を踏まえて、これからの広告代理店のメディア部門で起こりそうなことを、思いつくままに書いてみたい。残念ながら、新卒入社した一社の事情しか知らないため、他社では既にその方向に沿って動いているところ…

広告代理店の現場チームリーダーとしてやってきたことのまとめ

2019年の途中から、就業先の広告代理店でチームリーダーを務めるようになり、チームマネジメントについて考える機会が多くなった。 この記事では、ここまでの1年半で私が実施してきたことを3つまとめてみた。広告業界やそこに近い業界で働いている方々にとっ…

さようなら、20代。僕が無限の可能性を夢見ていた時代よ。

大学生や若いフリーランスらしき人々が溢れる新宿の電源カフェで、この文章を書いている。 みんな胸を張ってマックブックを叩き、様式美のようにコーヒーを口に含んでいる。 日本人向けにアレンジされたチャイラテは、かつてムンバイで毎日のように飲み干し…

人類が「やりたいこと」を検索エンジンに問いかける時代の、幸せな生き方について。

※この記事は、とあるメディアの公募賞に応募して落選となった文章を、一部加筆修正したものです。 「やりたいこと」という言葉が、人類を苦しめるようになって久しい。 筆者はとある広告会社に勤務するサラリーマンであり、年に数十名のOB訪問を受ける立場に…

きみが人気者タイプじゃなくて、それでも誰かと仲良くなりたいなら、「二人で話したい人」になれ。

僕は昔から、人から好かれたいという欲求が強くて、どうしたらいろんな人と仲良くなれるのかを、ずっと考えていた。 高校生の頃は、わかりやすくみんなから好かれている「クラスの人気者」タイプになろうと思ってあれこれ努力したんだけど、それは上手くいか…

社会がきみの役割を決めてしまう前に。

2018年は、記憶に残らない一年だった。 平日は遅くまで仕事をして、土日もともすれば仕事をして、仕事をせずとも仕事の疲れを癒すために夕方まで眠って、そんな日々の繰り返しだった。 今の会社に新卒で入って、局担、業推、そしてメディアプランナーと、広…

「いい人どまり」なんて言わせない、とびきりのいい人になれ。

2017年は、僕のメンタリティに画期的な変化が起こった年だった。 これまで嫌だった「いい人」「優等生」という特性を受け入れ、「自分が頼られることすべてに惜しみなくイエスと言ってやろう」と決意したのだ。 【参照】 「良い子100%で生きる」 「良い子」…

浜金谷の風と音の中で。(とぴちゃん)

2017年8月13日。 千葉県南房総を吹いてゆく熱風には、少しだけ、夏の終わりの匂いが混じり始めていた。 浜金谷という、聞き慣れない駅で降りた僕は、駅前の小さな交差点を抜けて、とぴちゃんが待つ「とびきり美味い回転寿司屋」を目指した。 とぴちゃんと出…

「良い子100%」で生きる。

僕は人を嫌えない。 すぐ傷つくくせに相手のせいにできない。 いつでも優等生であろうとしてしまう。 人事やカウンセラーのように、人の話ばかり聴いてしまう。 つまるところ、良い子であろうとしてしまう。 これらは、ずっとずっと、僕が否定したかった自分…

「良い子」という呪いを携えて生きるということ。

最近、会社で「お前は本当に良いヤツだな」と言われることが多い。 これは自慢でもなんでもなく、むしろ皮肉やからかいといったニュアンスを多分に含んでいるのだが、確かに僕は自分自身「とても良い子」であると思っている。 大学生の頃の僕は、「良い子」…

検索エンジンには捉えられない「雰囲気がどんぴしゃに似てる」作品5組。

小説を読んでいて、音楽を聴いていて、あるいは映画を観ていて、「あ、この作品はあの作品に似ているぞ!」と思ったことが、誰しも一度はあるだろう。 当然、別のジャンルの作品どうしよりは、SF小説ならSF小説、ロック・ミュージックならロック・ミュージッ…

「メディア・プランニング」が意味をなさなくなる時代へ。

昨今、日本では新しい動画サービスが次々と誕生している。NETFLIX・Huluといった黒船勢にはじまり、民放各局の合同キャッチアップサービスTVer、テレビ朝日とサイバーエージェントが立ち上げたAbemaTVなどがそれに続く。 僕も時々NETFLIXやTVerを観るのだが…

ロボットや人工知能によってアイデンティティが脅かされるのは、「人間より仕事ができるから」ではない。

「ロボットが人間の仕事を奪う未来」というテーマが、マクドナルドの前CEOの発言をきっかけに、話題になっていた。 ロボットが人間の仕事を奪う「最低賃金」は15ドル:マクドナルド前CEO発言 また、人工知能(Artificial Intelligence、AI)についての議論も…

『よばなし』、しませんか。

自分はどうやら、「飲み会」なるものが好きではないようだ。 そう気付いたのは、大学生になって少し経ってからのことだったと思う。 その場にいる人たち全員が楽しめるような、バカ話や恋愛トーク。その瞬間を楽しむために準備され、即座に消費されてゆく、…

就職活動に「相性」は要らない。

僕が就職活動をしていた頃、「広告業界に行きたい!」という気持ちは誰にも負けないくらい持っていたつもりだったが、一方で、「僕が広告業界の選考にパスできるのか?パスできたとして、はたしてやっていけるのか?」という迷いも、少なからず抱いていた。 …

4人以下の飲み会が居心地の良いものになる理由を、数学的に証明する。

※この記事の内容は、清書した上で 4人飲みはなぜ面白い?数学で考える飲み会の最適人数 に寄稿させていただきました。 新卒で広告代理店に入り、はや2年が過ぎようとしている。 テレビ広告業界の会食や合コンなど、京都の片田舎でPCRなぞを駆使して遺伝子…

仕事に疲れ果てた君を救ってくれる、おススメの小説5選+α。

社会人1年目の、10月も終わりの頃だった。新卒で配属された内勤の部署から媒体の部署への異動を、僕は当時の上司から言い渡された。 それは、コミュニケーションプランニングの仕事を志望して入社した僕にとって、青天の霹靂だった。 深夜まで続く会食、初ラ…

もうすぐ絶滅するという、広告代理店の「テレビ局担当」の仕事について。

少し前の 電通報 でも紹介された『広告ビジネス 次の10年』(横山隆治氏ほか著)では、次世代の広告業界に必要とされない人材の筆頭として、「メディアの事情通というだけのメディア担当」が挙げられている。 僕はこの本を読んでコミュニケーションプランニ…

人と深い話をするための、「コミュニケーションの4つのC」

今日は、人と深いコミュニケーションをするためのヒントについて書いてみようと思う。 なお、本稿は先日書いた 人を笑わせて場を盛り上げるのが苦手な人のための、コミュニケーションの戦略。 における「対話」についてさらに詳しく書いた記事でもある。そち…

Twitterのツイート数の表示廃止によせて。あるいは、ざっくりと「共感」について。

Twitter社がツイート数の表示を廃止したことで、ウェブの世界には小さからぬ旋風が巻き起こっている。 この機能変更により、インターネットという大海原の片隅にひっそりと浮かぶ当ブログのような零細メディアは、転覆し沈没するレベルの大打撃を被るだろう…

ハロウィンがちっとも楽しくないあなたへ。

僕が大学に入った2000年代の後半あたりから、ハロウィンというイベントは徐々に市民権を得てきたような気がする。 僕の入っていたサークルでは、毎年ハロウィンが近くなると「今年は何の仮装をしようか」とみんなで考え、あれこれと準備しあったものだった。…

人を笑わせて場を盛り上げるのが苦手な人のための、コミュニケーションの戦略。

何度か書いていることだけれども、僕は人を笑わせたり、楽しませたりすることが苦手だ。 もちろん、僕と波長の合う人であれば、「村上春樹風に昨日の出来事を描写する」とか、「『シャイニング』のジャック・ニコルソンの顔真似をする」とかいったアホな遊び…

思春期にみていた世界が蘇る、「またここに戻ってきたい」と思う小説10選。

ものごころついた時には部屋中に本がうず高く積まれていたという環境もあって、僕は昔からたくさんの活字に親しみながら生活してきた。 人生の時々で読んできた小説には、当時の記憶がしおりのように挟み込まれ、ページを開くといつでもその頃にタイムスリッ…

死ぬまで死ぬほど自分探し、それでいいんだ。

「自分探し」という言葉に軽侮のニュアンスが含まれるようになったのは、いつからだろうか。 僕が大学を休んで1年間インドで暮らしていたと言うと、決まって返ってくるのは「自分探しにでも目覚めちゃったの?」という言葉である。 ここでいう「自分探し」に…

「明日も自主休講にするかぁ」とつぶやきながら、一人暮らしのアパートで深夜に聴き入るのにふさわしい洋・邦ロック10曲。

毎朝9時に出社し、ひたすら仕事をこなし時には詰められ、ふと気がつくと夜9時を回っている…。Mr.Childrenの『雨のち晴れ』に出てくるほど単調な生活ではなくとも、大学時代からは考えられぬほど「充実した」僕の生活だ。 大学生の頃は、2限目あたりの講義に…

SNSが浮き彫りにした、僕たちが心の底から恐れているもの。それは「他者への無関心」である。

インターネット論壇で時たまテーマとして取り上げられるのが、「嫌われてもいいから自分をさらけ出せ」という話である。 僕も以前このブログとは別の場所で「人に嫌われてもいいから、自分の好きなことを発信しよう」といった内容の記事を書いたことがある。…

怨念、悪魔崇拝、狂気、絶望、憤怒…人間の心のグロさを存分に楽しめる映画5選。

小説でも映画でもよいのだが、僕の好きなコンテンツの特徴の一つに、「人の心の歪みや偏りを存分に描いている」というものがある。 「希望はいいものだよ。多分最高のものだ」という名言を否定するつもりはないが、個人的には絶望も希望と並ぶ最高のスパイス…

僕が「スクールカースト」から解放された日。

高校の頃、学校に行くのが嫌でしかたがなかった時期があった。 傍目には、決してそうは見えなかったと思う。硬式野球部に所属し、平日も土日もなく朝から晩まで野球漬けだった僕は、「バラ色の高校生活」とは言えないまでも、「そこそこアツい青春」を送って…