自分はどうやら、「飲み会」なるものが好きではないようだ。
そう気付いたのは、大学生になって少し経ってからのことだったと思う。
その場にいる人たち全員が楽しめるような、バカ話や恋愛トーク。その瞬間を楽しむために準備され、即座に消費されてゆく、飲食物や出し物の数々。
そうやってその一瞬一瞬を楽しく過ごすのが大好きだという人も、世の中にはたくさんいるのだろう。
だが、僕にとっては、そういった時間は「消費」以外の何物でもなかった。
それでいて、人にノーと言うのが苦手な僕は、飲み会の誘いを断ることもせず、「こんなことをして何の意味があるのか」という問いを頭の片隅に感じつつ、囃されるままに生ビールを飲み下していた。
一方で、どうやら自分は「少人数で飲むこと」がめちゃくちゃ好きみたいだ、と気付いたのも、大学時代だった。
その最たるものが、「さし飲み」である。
初めは「他の人の価値観や考え方を学びたいから」という、ちょっとキモチワルイ高尚な理由で始めたさし飲みだったが、今では「その会話を通して、その人がどんな人間なのか、自分がどんな人間なのか、知っていくのが楽しいから」という至って快楽主義な動機に落ち着いてしまった。
学生時代に150人くらいとさしで飲み、今ではもう、数えることを止めてしまったが、300人くらいにはなっただろうか。今週だけでも、5人と飲んでしまったくらいだ。
「最大公約数の楽しさ」を見出さねばならない大人数の飲み会と違い、少人数の飲み会では「個人ならではの外れ値」にフォーカスできる。僕にとっては、それが何より楽しい。僕が「スクールカースト」から解放された日。 でも書いたように、それはきっと、昔人気者になれなかった悔しさの裏返しなのだろう。キャッチーな「最大公約数の楽しさ」を発揮できなくとも、人間の内面には奥深いおもしろさが潜んでいるのだよと、僕は世の中に訴えたいのだと思う。
飲み会は苦手だけど、少ない人数でのんびりコミュニケーションするのは大好きだ。合コンや異業種交流会でも知らない人とは出会えるけれど、もっとじっくり、「会話」が好きな人たちと、話をしてみたい。
「パーティーピープル」でもなく「人間ぎらい」でもない、そんな人たちが集まって、どこかの街の片隅にあるお店で、しっぽりと話し続けるだけの会。
ありそうできっと身近には見当たらない、そんなコミュニケーションの機会を、つくってみたいと思います。
企画の名前は、『東京よばなし』。
別にお酒がマストではありません。が、少しでも飲めるのであれば、ぜひ「お酒の味」そのものも、コミュニケーションの潤滑油に変えてもらえればと思います。テレビ局との会食で幾度となく撃沈してきた僕が、身銭を切って試した「弱い人でも飲める美味しいお酒」を教えます。
お酒のみならず、お店の雰囲気や、料理の美味しさなんかも、コミュニケーションのきっかけになるとよいですね。
決行人数は、僕を入れて4人とします。
企画名の通り、まずは東京のどこかで開催予定ですが、そのうち『京都よばなし』や『大阪よばなし』もあるかもしれません。
まだまだ企画自体がプロトタイプの段階なので、いろいろと不明な点もあるかもしれませんが、世の中にあまり見かけない「少人数コミュニケーションの場」を、一緒につくっていけたらなと思います。
あなたのご参加をお待ちしています。
※後日追記
『よばなし』はじまりました!
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また、よばなしの様子はこちらで読めます!